栃（トチ）の木材としての使われ方と住環境との相性

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栃（トチ）の木材としての使われ方と住環境との相性

栃（トチ）が育つ環境と材質について

栃（トチ）はトチノキ科トチノキ属の落葉広葉樹の一種です。全国的に分布している樹木ですが、日本では東北地方や北海道南部地方で多く育ちます。水気を多く含んでいて湿気が適度にある環境下での肥沃な土壌を好む植物です。また、山岳の比較的低い谷間の標高からでも育ちます。放任していても、幹がまっすぐに成長しますので、邪魔な枝を切る以外には手入れしなくても育ちます。あまり害虫の被害を受けることはないので育てやすい木材と言われています。稀にクスサンの幼虫が付く事がありますが、薬剤を散布することで駆除できます。
栃（トチ）は、樹齢300年以上、高さ30ｍ以上の巨木として成長する場合もあります。一昔前には、主に臼をつくる際の材料として使用されていました。近年は森林の乱伐により産出量は下がっています。用途としては、家具テーブルとして使われることが多いです。
木材の硬さ、強度を示す気乾比重は0.52から0.53であり、素材としては比較的軽いです。濡れていた際の乾燥はしにくく、保存性は低い木材です。乾燥が進むと割れやすくなりますから、仕入れた後には早めの手入れ、製造が必要とされます。軽軟で加工は簡単にできますし、栃（トチ）を家具や彫刻として製造する際にも、仕上げを含めての手入れがしやすい木材です。木材の芯は小金かかっている黄色で、周囲は白色調をしています。材面には絹糸光沢もありますから、見た目にも美しく映ります。

栃（トチ）の素材と色合い、種類について

栃（トチ）は、縮み杢としても有名な木材の一種です。一寸8縮とも言われており、最大で3cmの間に8種類の模様が連なっているものもあります。杢目は、気候などの自然の影響を受けて生成されます。虎木や縮み木といわれている木目模様は、確認した際に目ではっきりと分かるくらいの美しさです。漣紋がある素材も好まれていますが、全部の栃（トチ）には現れません。多くの円形を描いている杢目の方が、素材の質が高く見た目にも美しいとされています。デザイン性においても、杢目との組み合わせにより製造しますから、家具テーブルとして作る場合も相応の技術が必要です。色合いは、金色のような光輝くタイプから、白く光るタイプ、赤みを含むタイプに大きく分けられています。漆を塗ると見た目もさらに艶が増しますが、白さが失われてしまうことが欠点です。その白さが良さの一つであり、全体が白い白栃（トチ）は、特に価値が高いものとして市場では高い評価を得ています。
木の材質としても固く、家具テーブルをはじめとして製造をする際には、和洋問わずに適したデザインの一つです。モダンタイプのテーブルとして親しまれており、用途としては食卓や座卓として部屋に置いても違和感を持つことはありません。日常生活場面では、頑丈で大きな衝撃を与えることが無ければ、長期間使用できる上に光沢のあるデザインも楽しめます。触り心地としては、オイルで仕上げることによりテカテカとした肌触りではなくなります。シルクのようななめらかですべすべとした感触でずっと触りたくなるような素材です。
栃（トチ）は杢目が価値を高めている特徴の一つであり、杢目に合わせて家具を作ることで美しさや高級感をもたらします。和洋問わずに合わせられるので、幅広い用途で使用することができます。触り心地や品質の劣化は長期間使用しても大きく出ません。

栃（トチ）と他の樹種・インテリアとの相性について

栃（トチ）は空間の和洋問わずに合わせられる素材ですが、他の材質によるインテリアとの組み合わせについて紹介していきます。
ナラ材のオーク材、タモ材と組み合わせることで、ナチュラルでまとまりのある空間をもたらします。栃（トチ）の杢目とのバランスを整えても、杢目を楽しむことができ、高級感をもたらします。高級感と美しい杢肌が特徴であるウォールナットのような濃い色合いにも合わせることができます。性質としても狂いを少なくでき、高級感を引き立てる上に引き締まった空間へと導きます。鉄や革などの異素材との相性も良いです。食卓でのティータイムや食事をする際にも、栃（トチ）と組み合わせることで、雰囲気の良さをもたらします。透明や黒褐色などのコントラストを付けたインテリアと組み合わせても、和風、洋風のような固定されたデザインではなく、現代風のデザインつくりが可能です。
インテリアとして使用する場合でも、ホームページなどの写真では杢目や色合い、大きさが正確に確認できない場合があります。現地に行って確認することも一つの方法ですが、ネット通販からの購入の際にはメールなどで問い合わせた方が購入後のトラブルを防ぎます。特に、自身の都合ではキャンセルできない場合が多いので、注意が必要です。
栃（トチ）は、他の素材、デザインと組み合わせても、それぞれの良さを引き立てやすい素材です。自身でアレンジしながらの住環境つくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。